3年生の生活
自由に、自主的に生活時間割をつくる
3年生は和光の生活の集大成です。クラブ活動、行事だけではなく、「学ぶ」ことでも中心になります。毎日2時間の必修はあるけれど、幅広い選択講座のなかから、自由に、自主的に時間割をつくります。和光生である今の自分を充実させるため?将来へつながる力を確かめるため?時間割づくりの考え方は自分次第です。
3年生の授業は必修と多様な選択講座からなる学習で構成
必修講座
3年生の必修講座は、月曜から金曜の3・4校時に配置されています。総合学習や現代社会では、私達のクラス現代社会で起きている課題を取り上げ、全体やグループで話し合ったり、プレゼンテーションを行ったりしています。
選択講座
3年生では自由選択枠が9つがあり、多彩な選択講座の中から授業を選ぶことができます。文系・理系の枠にとらわれず、幅広い分野にわたって講座が用意されています。自分の興味・関心に応じて自由な組み合わせができます。実習や作業を軸とする授業、研究と討論を軸とする授業、制作をする授業など、さまざまな学習内容とそれに応じた授業形態で実施されます。少人数講座なので、じっくりと自分の進路を考えながら学習をすすめることができます。
卒業後の自分の進路について考える機会のひとつとして、「職業的選択科目」があります。自分が将来どのような職につくのか、どのような働き方が向いているのか、この授業を通して学びます。例えば、講師にプロの写真家や映画監督を迎え、現場で実際に使われている技術の一部を学ぶ講座もあります。
映像受講生作品
高校3年生の時間割の例
自ら考えることの大切さ
私の高校生活のテーマは対話でした。体育祭や文化祭の実行委員、学級委員などを経験し、他者と対話しながらものごとを作っていくことを学びました。その中でも、2年次の文化祭実行委員を務めた際はコロナ禍で例年とは異なり、様々な制限がある中での開催でした。この状況の中、全校の要求を扱う立場で何ができるか、どうすれば実現できるかを多くの会議、話し合いを通して模索してきました。
例えば密を避けるため教室での企画ができず、それぞれのクラスや有志企画の場所を確保するのは大変でした。結果話し合いですべての問題が解決するわけではありませんでしたが、話し合いの成果がにじむような形の文化祭にはなったと思っています。この文化祭作りに実行委員として私が関われたことは、対話の大切さや人と協同してものごとを作っていく方法などを学べたいい機会でした。
このように和光高校では、生徒自らが主体となっていく場面が多くあります。自治活動以外にも、授業でのグループ発表や部活動などです。例えば、私は1年次にはサッカー部、2年次にはバレー部に所属していましたが、どちらの部活も生徒で練習を作り、話し合ってチームを作っていました。そこでは、人と協力することでできることは広がるし、対話がなければ成り立たないものもたくさんあると実感しました。
和光高校では自らが考えることを大切にしてくれます。質問や意見も授業の最後ではなく、思った瞬間に先生に伝えると、そこから他の意見が出たりして授業が広がる、そんな人の意見も学びにつながる学校です。
他では得ることのできない経験
和光は生徒自身が自主的に伸び伸びと学べる場所であると感じています。生徒主体というのは和光の大きな特徴のひとつで、行事や部活動に限らず普段の学校生活からも当たり前のように大切にされていました。
生徒主体であるから先生方は必要以上には干渉しないというのはたしかですが、困った時はいつでも相談できる距離感で、生徒と先生方が対等な立場でお話をすることができます。
その中のひとつの例として挙げられるのは、和光の授業のあり方です。和光では、教員が生徒に問いかけながら授業を展開してくれるため、私たちはそれに答える形で能動的に参加することができます。
近年では新型コロナウイルスの影響でグループワークの機会は減ってしまいましたが、その中でも意見の交流は感染対策を講じた上で引き続き行われました。
和光の授業は、試験のために知識を頭に詰め込むものではなく、「なぜ?」「どうして?」を考え、物事の認識を深めていくことのできる環境を提供してくれます。そうした中で、私は社会科の授業に大きな影響を受けました。和光での日本史や世界史の授業は、"当時自分が〇〇の立場だったらどうするか?"という視点で歴史的事象を考え、現代史の授業では、今、現在世界で起こっている出来事・問題に対して自分はどう動くべきかを考えることができます。
これらの授業は、ただなんとなく生きていた私が、この日本の、世界の一員であるのだという自覚を持つ大切な機会となりました。白とも黒とも取れるような物事が沢山蔓延する中で、それらを自分の事として捉え、多角的に考えることで自身の世界は広がります。他の学習環境では得ることのできない経験を、ぜひ和光での生活を通して培ってほしいです。
3年選択講座一覧
自由選択C1
ことばと世界
論説文
現代の世界
微積分
着彩実技
中国語Ⅱ
韓国語・朝鮮語Ⅱ
被服Ⅱ甲
自由選択C2
古文
数学ⅡB演習
化学B
立体表現
写真表現s
英文解釈Ⅱ甲
口語英語ⅡB
プログラミング演習
自由選択C3
日本語と論理
社会思想
化学C
版画Ⅱ
被服Ⅱ乙
自由選択C4
昔話と絵本を読む
漢文
日本史Ⅱ
生物A
物理C
絵画Ⅱ
工芸Ⅱ
口語英語ⅡA甲
自由選択C5
近代文学
ヨーロッパ史Ⅱ
「心の時代」を考える
物理B
素描Ⅱ
デザインⅡ
音楽理論
英文解釈と作文
自由選択C6
日本史Ⅱ
数学ⅠA演習
生物B
レクリエーションスポーツ
演劇Ⅱ
中国語Ⅰ
観光後・朝鮮語Ⅰ
機械工学
物理A
声楽Ⅱ
異文化研究Ⅱ(2022休講)
自由選択C7
現代文学を読む
代数
口語英語ⅡA乙
時事英語
食物Ⅱ
コンピュータ制御s
福祉・ボランティアs
保育・教育s
自由選択C8
古文
表現
微積分
現代天文学
美術史
書Ⅲ
英文解釈Ⅱ乙
外国人と日本文化
地域研究
化学A
人と自然s
自由選択C9
図書館・博物館s
スポーツコーチング演習s
デザイン演習s
アジアの社会と歴史
専門調理s
カウンセリングs
映像s
マーケティングs
メディアと文章表現s
図形の世界
英語表現
現代の社会
自由選択授業での成長
2年生が終わる頃はまだ高校卒業後の進路が決まっていなかったため、3年生の自由選択授業を決める際とても悩みました。そのような中で私が大事にした考え方は「今に限らず自分にとって必要な能力や知識は何か」ということです。そのため、私は自分にとって未知の世界であるプログラミングという分野を学ぼうとC2の「プログラミング演習」を選択し、他の地域での文化を知る能力を得るためC4「口語英語」や C9「英語表現」などの英語科目を選びました。
「プログラミング演習」ではプログラミングの基礎を中心に学ぶので授業内ではコードを書きます。その際、エラーが起こったり思ったように作動してくれなかったりすることがあるのですが、そんな時に自分自身で問題を見つけて解決したり、なぜうまくいかないのかを考えたりするといった試行錯誤が非常に重要になります。なので、この授業ではプログラミングの基礎という技術的な勉強はもちろん、それだけではなく、自身の問題解決能力やトライ&エラ ーを繰り返す力といった自身の「考える力」を育むことができたと感じています。また、英語科目では、読む、書く、聞く、話すといった勉強で終わらせず、コミュニケーションをとるために重要なことについて話すなど、学んだことを身に着けるために他者とともに考えるといったことをしました。
和光高校の自由選択授業では、様々な分野を必修科目よりもっと細かく専門的に学ぶことができます。また学問に限らず、生きていくうえで大切な「自分で考えて問題を解決する力」や「他者と協力する力」といったことが育まれるという部分が自由選択の特に良い部分だと思います。学習の仕方は多様で人それぞれ、自分の考え方に合わせて授業を選択し、選んだ授業を通して学問的なことやそれ以外の自身の成長につながる学習をしてほしいと思います。
夢へのスタート
和光高校の選択授業は、授業の多様さから自分の興味のあることを学校で学べるので、生徒の未来への選択肢を広げていると私は思います。
私は、親からの影響もあり以前から海外文化やファッションに興味がありました。自分の好きなことを仕事にしたいという思いを持ちつつ、自分自身で夢を見つけられていませんでした。3年生になり、授業数の半数程度が選択授業であることから、自分で興味のある分野を学校で学ぶことができました。選択授業の「時事英語」では、英語で今の社会をみることができ、英語の力を持つことで世界が広がる感覚を覚えました。そして、英語力の重要さを学び、英語力を身につけることで、夢の第一歩になると考えました。また、「アジアの社会と歴史」では、海外の社会問題は他人事ではないことを学びました。
加えて、社会問題は他人事ではないのにも関わらず、知らないことがたくさんあることに気付かされました。将来の夢を考えた時、以前から興味のあるファッションが引きおこしている社会問題を発信していくことだと思いました。
和光高校では、選択授業が幅広くあり、学校生活に余裕ができるため、自分の好きな分野を学べます。そのため、私は将来への視野が広がり、夢へのスタートを早くきれると感じます。